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【第三回】宝石屋 神山さん 後編【La Vitaプロジェクト】

 第二回からの続きです。全三回でお送りした神山さんの記事もこれでおしまい。最後までお付き合いくださりありがとうございました。

 

宝石屋さんのこだわり

友田:ツイッターで見たのですが、お店の展示にこだわりがあるということで。

僕が見たのは宝石で顔を作って展示してあって「ただ並べるだけでは面白くない」と

神山:やっぱねぇ 楽しませるのが好き。

友田神山:性格なんですねぇ。

神山;父と母は真面目やねんけど、よく知ってる人は「なんであの父と母からお前みたいなのが」って言う。

友田神山:(笑)

神山:それもだからアフロも派手な服も「楽しませたい」が為やな。「楽しませたい」が綺麗な言葉やな!

友田神山:(笑)

神山:っていうのはある。

友田:今日のキーワードですね「楽しませたい」

 

神山:うちも元々はもっとわかりやすい宝石屋やってん。親父の時代までは。この木のドアもガラス張りで自動ドアで…

友田:(宝石屋って)そういうイメージあります。

神山:指輪もケースや指輪差しに入っててんけど、全部それをやめて。宝石屋ってのは中が見えるようにガラス張りにしてんねんけど、本当は高いもの買うから見えない方がええんちゃうか思て、ドア閉めて。で、ドアにしたらめっちゃ入りにくいねん皆さん。

友田:ちょっとハードル上がりますね。

神山:でも入ったらこんなんやから、あとは「買うまで出にくいで」とか

友田神山:(笑)

 

神山:冗談言ったりすんねんけど。確かにこういう風に木を使ったり、普通ではないディスプレイが(お客様を)楽しませる。例えばあっちにも置いてあんねんけど、指輪のところにポイントが書いてあって、商品説明ではなくて「私をつけて振り向かない男は放っておきなさい」とか、その子が出してるメッセージはめっちゃ書けんねん宝石とか見て。

友田:それを見て運命的な出会いがあるかもしれないですね。

神山:こんなん置いてる宝石屋さんないと思うし、まぁなんせ人がやってないことが好き。宝石屋やけど宝石屋か何かわからへん。パッと見たらね。そこを目指してます。

友田:普通の宝石屋さんってやっぱりこうスーツを着てて、ガラス張りで若者には近寄りがたい感じで

神山:はいはいはい

友田:外から見て「あーすごいな俺にはまだ早いなぁ」って目で見て満足しちゃうものですけど、ここは見えないですね、外から見ても。入ってみないとわからない。

神山:確かにねぇ、その部分もやっぱ「人でいく」っていうので大事やなと思ってて。

なんやろなぁ。ほんまにこう普通ではないのが好きやから、違うディスプレイにもしてしまうし店作りもそんな感じかなぁ。ホームページを一新しようと思ってんねん。やっぱりこの時代やから、僕と嫁さんのホームページじゃないけど(笑)店のホームページやけど、こんなんやってますとか そっちを推していこう、推しが強いホームページを作ろうと思ってるくらいやから。そこに共感してくれる人だけ来てもらったらええわっていう感覚やから。みんながみんな合うと思ってないから。若い頃はスーツ着ててん。でも途中から「ちょっとちゃうな」って。それからネクタイ外して。この前実際、若いカップルが来てくれたときに「緊張した」って、宝石屋やから入ってくるときに。でも入ってみたら「ネクタイしてるイメージやったけどそうじゃなくて、こんな気さくに話してくれるんで安心しました」って。男の子一人で来てくれた時も「冷や汗かいて来た」って

友田神山:(笑)

 

友田:まさに聞きたかったことが、元々スーツを着て販売してたけど今はスーツを着なくなったのは、なんでそうしたのかなと。 

神山:ちょうどね僕が後継者として後を継いだので、父母のお客さんはもう年配の、僕よりも先輩方ばっかりやんか?そういう礼儀やと思ってたし…それと3年間修行にいった宝石屋さんがうちよりももっと大きなとこでスーツを着てた。だからその頭があってそのままきてんけど…そのまま4、5年行っててんけど…父母の先輩方のお客さん方ももちろん来はるんやけど、若い僕らの世代たちがくるやんか?そうなった時にネクタイないほうがええなと思って。「僕のお客さんを増やそう」と思ったときに衣装を脱いだ。

 

 友田:新しい層の開拓というか、若い人に向けてという意味合いなんですね。

神山:んで、硬っ苦しいやんか?

友田:肩に力が入りますね。

神山:そうそう。今はネクタイもスーツも着なくなって私服の方がいっぱいあるし、夏場は雪駄やねんか足元。暑がりっていうのもあんねんけど。雪駄でダイヤモンド売ってたらかっこええやろと思って。

友田:(組み合わせが)斬新ですね!

神山:斬新やろ?上野に雪駄やさんがあんねん。そこで作ったりして、こだわったりして。

まぁ人にも興味があって、人が好きやから。指輪見ににきてんのに指輪の話はまずしない。まず30分「どっからきたん?」とか「いつ付き合ったん?」とか「何仕事してんの?」とかまずは質問責めやねん。「指輪買いにきたのに、指輪見せてくれへん」って

友田神山:(笑)

神山:で、人として繋がって…あとで商品の話をした方が安心感持ってもらえるかなとあとで気づきました。

友田:確かにその方が選びやすい。

神山:かもしれへんね。最初はガチガチしてるけどいろんな質問によって、笑わすこともして、笑わせてもらったりもして、仲良くなった方が選びやすいかな。それがいまのスタイルになったかな。

 

楽し楽しませ

友田:最後の質問ですね。神山さんを動かす、いろんなことに興味を持たせている原動力はなんでしょう?

神山:「楽しむ」やろなぁ。

友田:自分が?

神山:そうそう。自分が楽しまないと人も楽しまなせ○△☆楽しめ…たの、あかんなんて言おう。自分が楽しまないと人も楽しま、ませられない。

友田:うんうん(日本語難しいなぁ)

神山:難しい言葉でけへん。最近な「こんにちは」で二回噛めんねんか。

友田:マジですか!?5文字で二回!?

神山:だからあの、接客業やで?5文字で二回噛むってこんなん最悪やんか。でも友達が「わかった。お前からみんなが宝石とか買うのは、みんながかわいそうになってもの買うんや」って

友田神山:(笑)

神山:「わかった。俺それで行く」って言うてんけど(笑)まぁ「楽しむ」ってことかなぁ。そこやと思うわ。まぁ元々の性格かもわからへんけどねぇ。でもいろんな人との出会いやなぁ。今振り返ってたらその時の先生やったり、出会った人であったりの中で「より明るくより楽しもう」って考えになったかな。

 

編集後記

 神山さんは本当にエンターテイナーだった。柔らかな雰囲気の店内には「あっ」と驚くこだわりが随所に感じられた。洒落た壁掛け時計、「今日のyuki文字」尽くしのテーブル、主張の強い指輪など。気になった方がいれば、ぜひ一度訪れてみてほしい。ただ、訪れる際は必ず詳細な地図アプリを使うことをお勧めする。

 

神山 幸久

株式会社神山 代表取締役社長兼経営者

出身と在住  三重県伊賀市

 

ダイヤモンド神山 -輪RIN工房-

〒518-0226 三重県伊賀市阿保1365-3

☎︎0595-52-0029

 

✉︎ diamondkouyama@gmail.com

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